妊娠中はやっぱり綿がいい?マタニティウェアの素材を120%掘り下げる
体と健康
2025年9月24日

妊娠中はやっぱり綿がいい?マタニティウェアの素材を120%掘り下げる

妊娠してから肌の調子が変わった…?

「いつものTシャツがなんだかチクチクする…」「肌が乾燥してかゆくなった」 妊娠してから肌の変化を感じていませんか?

この変化、どうも気のせいではないようです。妊娠によるホルモンバランスの変化が、お肌にも影響しているのです。

妊娠中はホルモンの働きで皮膚のバリア機能が少し弱くなったり、水分や油分のバランスが変わったりします。そのため、今まで気にならなかった刺激に敏感になったり、乾燥しやすくなったりすることがあるんですね。

なぜ妊娠中は肌が敏感になるのか

妊娠中の体は赤ちゃんを育てるために様々な変化を起こしていて、それが肌の感覚にも影響します。

妊娠段階により血流が増えるなど、汗をかきやすくなったり蒸れを感じやすくなったりします。また、皮脂や水分のバランスが変わることで、乾燥したりべたつきを感じたりすることも。

さらに、お腹や胸が大きくなることで服が体に密着し、縫い目や硬い素材が刺激に感じられることもありますね。

妊娠中は服の素材による違いを普段よりもずっと強く感じやすい時期なんです。

マタニティウェアに綿が多い理由

お店やネットでマタニティウェアを見ていると、「綿100%」「綿混」と書かれた商品をよく見かけませんか?これは綿が妊娠中の体にとって心地よい特徴を持っているから。

綿の特徴は以下のとおりです。

  • 風通しが良く蒸れにくい → 汗をかきやすい妊娠中も快適
  • 汗をよく吸ってくれる → さらっとした着心地をキープ
  • 肌に優しい触り心地 → 静電気も起きにくく刺激が少ない
  • お家で洗いやすい → 汗をかいても気軽にお洗濯できる

特に妊娠中は汗をかきやすく、肌も敏感になっているので、綿のこうした性質はとても心強い味方になります。

綿は医学的に推奨されているのか?

残念ながら?「妊娠中は綿でなければダメ」という研究は見つからず。 とはいえ、皮膚科の分野では敏感肌の方や小さなお子さまには綿が良いとよく紹介されていますね。

アトピー性皮膚炎の患者さんにも綿の衣類を選びましょうとアドバイスされることが多いです。

が、実のところ綿だからよいという結論ではありません。綿でも毛羽立っていたり固めの質感なら適しておらず、なめらかで通気性よく汗を吸ってくれることが大事、ということのようです。※アトピー性皮膚炎と綿素材についての記事もご参考ください

妊娠中に肌が敏感になりやすいことを考えると、綿素材は「通気性、吸汗性、肌触り」をクリアしやすいから選ばれやすいのかもしれません。

綿以外の妊娠中に向いた素材

もちろん、妊娠中に心地よく過ごせるのは綿だけではありません。他にも選択肢はたくさんあります。

レーヨン(モダールやテンセルなど)

とろんとした柔らかな肌触りで、摩擦が少ないのが特徴。ナイトウェアやワンピースにぴったりです。

シルク

ちょっと高価ですが、一年を通じて快適に過ごせる優秀な素材。湿気を吸い取って乾きやすく、肌当たりもとても優しいです。

竹繊維(バンブーレーヨン)

抗菌性があって柔らかく、汗をかきやすい夏の季節にもおすすめです。

高機能ポリエステル

最近では吸汗速乾やストレッチ性に優れた素材が増えています。乾燥時期は静電気に注意。

綿の中でも、超長綿、コーマ糸や細番手の糸を使った製品は毛羽立ちが少なく、敏感な肌でもチクチクしにくい仕上がりになっています。※綿の糸についてこちらで詳しく解説しています

素材別の特徴

妊娠中によく選ばれる素材の特徴をまとめてみました。

素材いいところ気をつけたいところこんな時におすすめ
綿汗をよく吸って風通し良好、静電気が起きにくい縮みやすい、乾くのに時間がかかるインナー、パジャマ、普段着
レーヨン系とろんと柔らか、摩擦が少ないシワになりやすいナイトウェア、ワンピース
シルク一年中快適、肌当たりが最高高価で手洗いが基本下着、特別な日の服
竹繊維抗菌性があって柔らかまだ商品の種類が少ない夏用のインナー
ポリエステル汗を素早く乾かす、よく伸びる静電気が起きることもアウター、運動用、レギンス

季節や使い方によって選ぶ

直接肌に触れるインナー
コーマ糸や細番手の綿、またはシルクがおすすめ。優しい肌触りで安心。

お腹や胸を包むウェア
ポリウレタン混紡やジャージー素材など、体型の変化に合わせて伸びてくれると便利。

夏の暑い時期
インナーは柔らかい素材にしつつ、アウターやボトムスは強撚糸の綿やインド綿など、サラッと涼しい素材がおすすめ。

冬の寒い時期
甘撚り綿や多重ガーゼなど、空気をたっぷり含んでふんわり温かい素材がおすすめです。静電気も起きやすいので化繊より天然素材がよさそう。

妊娠中は汗をかきやすくて洗濯回数も増えがちなので、洗濯表示をチェックすることも大切ですね。綿は乾燥機をかけると縮むので、利用するなら大きめサイズを買っておくといいかも。

まとめ:あなたに合った素材を見つけましょう

妊娠中はホルモンの影響で肌が敏感になり、衣類の素材の違いを今まで以上に感じやすくなります。

マタニティウェアに綿が多く使われているのは、汗をしっかり吸って風通しが良く、肌に優しい触り心地だからなんですね。

綿だけが正解というわけではありません。レーヨンやシルク、竹繊維、高機能ポリエステルなども妊娠期を快適に過ごすためには大事な存在です。

一番大切なのは、あなたの肌の状態や季節、心地よさに合わせて素材を選ぶこと。自分が気持ちよく過ごせる、お気に入りの服を選ぶことが何よりです。

体調の変化も大きい妊娠期だからこそ、少しでも快適に過ごせる素材を見つけられると良いですね。

※辛く我慢できない痒みは我慢せずに産婦人科医、皮膚科医に相談しましょう!

参考

綿1000%で探してみる

Amazon、楽天市場、Yahoo ショッピングの商品から一度に検索できます。 よろしければキーワードを選んでいろいろな綿商品を見つけてみてください。

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